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2009年3月12日設置
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外山亀太郎博士の生まれたところ 神奈川県愛甲郡小鮎村上古沢(現在の厚木市) |
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厚木市に行くことがあります。人口15万の中都市、東名高速厚木インターでその名がよく知れわたっている。昭和30年2月1日に厚木町、小鮎村、玉川村、南毛利村、睦合村が合併して発足した町。大山など丹沢の山々をのぞみ、山歩きなど緑濃い自然がいっぱい。東丹沢山地を源とする中津川・小鮎川・相模川が市内を流れており、鮎つりが今でもできるらしい。市内の中央部に、南北を里山（ゴルフ場となっている）に囲まれた小鮎川流域がある。かつてあった愛甲郡小鮎村こあゆむらの地区。小鮎小学校、小鮎中学校、小鮎郵便局、JAあつぎ小鮎支店等など”小鮎”という地名がいくつも残っている。この辺りの旧小鮎村上古沢（現在は厚木市上古沢）に慶応3年（1867）9月26日、外山亀太郎は生まれた。 |
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外山亀太郎博士 （左）肖像画 高島野十郎作 （右）この胸像は初代校長を務めた福島蚕業学校の後身である福島市の福島明成高校に建立されている。 |
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明治29年から3年間福島蚕業学校の初代校長を務めた後、東京農科大学で教育や遺伝の研究に従事。タイ国養蚕技術指導に参画。明治44年に国立原蚕種製造所が創設とともに、技師として招かれて併任となり、蚕糸技術史上で最大の業績とされる外国産種をも含めた「一代交雑種の有利性」を提唱、その普及奨励し、実用化に貢献、養蚕業界に大きな利益をもたらした。 |
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（写真はwebサイトが開きます） |
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大正4年（1915）、蚕の一代交雑種の実用化の端緒をひらいた功績と蚕の遺伝学に関する研究の業績により、帝国学士院賞を医学の野口英世とともに贈られた。日本養蚕界の父と言われています。神奈川県が生んだ県人偉人100人にも選ばれている。
外山亀太郎博士（前列右から3人目） 大正5年 片倉一代雑種団と原蚕種製造所松本支所訪問 （写真はjpgファイルが開きます） 交雑種の利用 現在、農家で飼われている蚕は、すべて交雑種です。その理由は、交雑種はその両親に用いた品種にくらべ、虫が強く、繭が重く、糸の量も多く、そのほか、ほとんどすべての性質がすぐれているからです。この現象を雑種強勢といい、蚕では、外山亀太郎博士により1906年（明治39年）にその有利なことが提唱され、1911年（明治44年）に設立された原蚕種製造所において事業開始とともに始まった雑種試験により、その有利性が立証され、1914年から実用化に供され、ただちに普及に移された。この結果、1922年頃までには、ほとんどすべての養蚕農家が交雑種を利用するようになりました。繭の生産量は一挙に2倍以上に増加した。
交雑種 (写真はjpgファイルが開きます) この技術は、世界に先駆けた技術であると同時に、官民あげての普及への取り組み、実用化の迅速さと波及効果など、農業技術発達史の中で特筆される成果である。以降、わが国の実用蚕品種はすべて一代雑種が用いられており、品種の変遷に対して大きな影響を及ぼしている。蚕における交雑種の利用は、植物におけるトウモロコシよりも早く、雑種強勢の実用面への応用の代表的なものとなっています。
一代雑種の研究は外山亀太郎によって明治39年、品種改良上効果があり、また蚕種製造家の事業保護策として良法であることを遺伝学的根拠から発表された。また原蠶種製造所でその一代雑種の試験を本格的に開始したが、その結果は蚕も強健であるし糸質も良好であったので、当時の所長・加賀山辰四郎はこの一代雑種を農家に飼育させることを決定した。これが大正3年のことであった。大正6年頃から、一般の蚕種製造業者も次第に一代雑種を製造する機運となり、大正14 年には春蚕種で一代雑種の飼育されたものの割合が全国の約80%に達し、我が国の蚕品種に大転換が起こった。動植物のなかで一代雑種の利用は、わが国のカイコが世界に先駆けた技術であると同時に、普及の迅速さと蚕糸業の発展に対する貢献は、世界の農業技術発達史のなかで画期的なもの。
一代交雑種の奨励 大正3年(1914)、原蠶種製造所初代所長の加賀山辰四郎は国策として、一代交雑種を採用することを決断。ただちに一代交雑種用の蚕の原種を各府県の蠶業試験場に無償配布して早期実用化をはかり、僅か数年で全国に蚕の一代雑種は普及した。 |
繭に関連したファイル_jpg pdf ss web
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埼玉県庄和町(現在の春日部市) 名物の大凧あげ祭りは養蚕の豊作祈願 |
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国道16号線を千葉県野田市から江戸川を渡ると埼玉県春日部市に入る。此処が大凧揚げでよく知られたところ。国道沿いの近いところにある公園には、実物大（長さ15m、幅11m、重さ約800kg）の 100畳敷きの大凧モニュメントが飾ってあります。車から見るとその大きさに驚きます。これが大空にほんとうに舞い上がるのかと信じられない。毎年5月3日・5日、江戸川の河川敷で大凧揚げ祭りが、子供たちの健やかな成長を祈願して行われるという。 埼玉県庄和町(現在は春日部市）名物の大凧揚げの由来は江戸時代後期、養蚕の豊作を願って始まったことによるらしい。「繭の値段が上がる」と「凧があがる」の意味を掛けていると言われます。地元の養蚕農家の人たちが数十個の大凧を揚げて、蚕が病気になることのないように、丈夫に成長して大きな品質のよい繭をいっぱい吐くってくれるように祈ったことでしょう。生糸は、明治大正時代には外貨獲得の花形商品だった！ |
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日本初のナノテクノロジー技術はこれ！ 定繊式繊度感知器 |
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岡谷製糸試験所は昭和30年に大木定雄技官によって「定繊式生糸繊度感知器」が発明され、この発明によって自動繰糸機の開発に至った素晴らしい光栄と足跡を残しています。昭和30年代には繊度感知器を装着した定繊式自動繰糸機の全盛期を迎えた。特許実施許諾収納料が昭和33年以降昭和45年にかけての13年間にわたって毎年、じつに年間百万円～二百万円ありました。この例は、富士精密工業→プリンス自動車→日産自動車1社(昭和35年富士精密工業がプリンス自動車、昭和39年プリンス自動車が日産自動車に合併された)のみであるが、他社製糸機械メーカーの分も含めれば、特許許諾収納料はもっと多くなっているであろうし、それがほぼ半世紀前の特許許諾収納料であったことを考えると、恐ろしいような 信じられないような素晴らしい試験研究業績と申せます。この蚕試式生糸繊度感知器を装着した自動繰糸機が、現役時代出張した中国・蘇州市内の製糸工場でも、タイ・コンケーン市郊外の製糸工場でも、台湾・台中市郊外の製糸工場でも稼動しているのを見ました。この繊度感知器は、蚕の吐糸した細くて長い繭糸を2枚のガラス板の間隔を通過させて接触したときの生じる摩擦力の微小な違い（有無）を瞬時に感知して、6～8粒の繭から繰られた1本の繭糸束(生糸)を、所定の太さに揃える（定繊度にする）命令を指示する高精密機器。日本初のナノテクノロジー技術によるナノテク製品の第1号機といっても決して過言ではないと思います。 蚕糸試験場が蚕糸業発展に寄与した輝かしい足跡と大いなる功績は永遠に不滅です！！
いつまでも人々に永年にわたり岡谷製糸試験所が、蚕糸技術研究が残した大いなる足跡を深く印象づけることを祈りたい。永く後世に伝えつないでいってほしいと願います。わが国では“定繊式繊度感知器”を使用する製糸工場は、養蚕業衰退にともない今ではわずか2社に激減してしまったが、中国をはじめブラジル、台湾、インド、タイ、中近東の国々では、現在も全ての製糸工場で“繊度感知器”を装着した定繊度式(蚕試式)自動繰糸機が稼動中。手紡ぐ糸を除いた世界のシルク糸は“繊度感知器”を利用して製造されているといっても決して過言でない。まさに日本の先進技術が世界を寡占。蚕糸試験場では繊度感知器以外にも、1年間の特許実施許諾収納料がなんと800万円を越した技術も開発している。 自動繰糸機の実用化された当初の繊度制御方式は粒付数を一定にするいわゆる定粒方式であったが、この方式では原料繭の繊度特性が生糸の繊度特性に大きく影響し、また同時落繭や不能接緒に対して人手による補助接緒を必要とした。この感知器は繰製する生糸の太さそのものを感知し制御するもので、その構造は目的繊度に適した厚さを持つゲージ板を2枚の円形ガラスの間にはさんで一定の間隔をつくり、一定の長さと重さの指示桿を取り付けたもので、その構造は目的繊度に適した厚さを持つゲージ板を2枚の円形ガラスの間にはさんで一定の間隙をつくり、一定の長さと重さの指示桿を取り付けたものである。その作用はこの感知器を中心軸で支え、ガラス間隙内で生糸糸条を通過させるとき、一定繊度すなわち細限繊度以上ならば感知器は上方に旋回し、支持桿は上昇しているが、繊度が細くなると、粒付数に関係なく感知器は下向きに旋回し、支持桿が下降して接緒支持を行う。したがって細限繊度に対応するガラス間隙（生糸の直径にほぼ同じ）の繊度感知器を使えば、任意の目的繊度の生糸が繰製され、繊度と密接な関係のある生糸の太さそのものを感知し制御するため、定粒方式のものとくらべて生糸の繊度偏差が著しく向上し、また定粒方式で必要とされる補助接緒が不要で、さらに応答が速いため高速度の繰糸ができるなど多くの特長を持っている。 この感知器の出現は自動繰糸機の性能を著しく向上し、その急速な普及を可能にした大きな要因であり、現在稼働中に自動繰糸機の95％以上にこの感知装置が装備されている。このためこの発明は高く評価され、発明者大木定雄には昭和33年3月日本製糸協会賞、昭和34年4月農林功績賞、同年6月第6回貞明皇后記念蚕糸学賞が贈られた。 生糸繊度感知器に関連したファイル_jpg pdf
ss web （関連 No.28）最後の製糸夏期大学 製糸夏期大学最終記念誌 2010年7月 |
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小山重郎所長 ＮＨＫテレビ「プロジェクトＸ」でも放送された沖縄県でのミバエ根絶事業を 研究面からリードして成功裡に導いた立役者、著名人 |
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2008年7月10-11日と11-12日放送のNHKラジオ深夜便〔心の時代〕で、沖縄に”青切りミカン”が戻った日（１）(2)に出演、ミバエ根絶事業や環境に影響の少ない害虫防除法について、奥様はラジオ深夜便で秋田県での自然保護活動についてそれぞれお話をされています。ご夫婦共著で膨大な専門書を英訳出版もされています。ご立派なご夫妻。小山重郎氏が蚕糸・昆虫農業技術研究所所長であったことを誇りに思っています。
蚕糸・昆虫農業技術研究所9代目 小山重郎所長 （在任期間；平成元年10月1日～平成3年10月1日） 環境に影響の少ない害虫防除法 - 害虫防除の立場から殺虫剤使用を控える方法 - ・肥料の使いすぎは虫を増やす。 ・季節には季節のものを栽培する。⇒害虫の被害は少ない・ ・作物の大きさや形が揃っていなくても認め合う。とくに流通業者や消費者にお願いしたい。 ・農薬使用は天敵も殺してしまう。⇒昆虫と共存する姿勢が必要 ウリミバエ、ミカンコミバエ 台湾、中国、東南アジア、ハワイなどに分布し小さなハチに似た体長6～8mm、黄色の体色に茶褐色の縞模様のある美しいハエ。成虫はミカン等の柑橘類やマンゴウ、パパイヤ、バナナ、グァバ等の果実、トマト、ピーマン等の果菜類に産卵、幼虫（うじ）が寄主果実菜を加害する重要害虫
（写真はwebサイトが開きます） ミカンコミバエを根絶させた雄除去法 ミカンコミバエのオス成虫を誘引する香料の一種であるメチルユージノールと殺虫剤を混ぜ、誘殺テックス板（木材繊維板）や誘殺綿棒（円筒状脱脂綿）に染み込ませて野外にばらまき、これでオスを大量に誘殺し、メスがオスと出会う機会を減らす方法です。この方法を繰り返すことによって、子世代、孫世代‥‥、とミカンコミバエの個体数をどんどん減らしてゆき、最後にハエを根絶させる。 ・ラテックス板の大きさ：4.5cm四方、厚さ１cm ・作ったラテックス板の数： 240万枚/年、年間予算の3億円をこれにほぼいっぱい使いきった。 ・ラテックス板の入れたトラップ：住宅地域や工業地域において庭木、街路樹に吊り下げる防除方法（凡そ200m四方（？）間隔で吊り下げた。原野および山間部ではヘリコプターで播いたりした。 ・沖縄群島では1978年～4年間でほぼ根絶した（1981年7月宣言） ・国の調査団（団長：石井象二郎先生）により根絶が確認され、植物防疫所から本土への販売が解除となった。 ・ウリミバエ、ミカンコミバエの根絶事業は今も続いているし、これからもずっと続けていかなければならない。 |
小山重郎所長に関連したファイル_jpg pdf ss web
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高校生からの質問 「カイコを調べて、どのように活かしていかれているか教えてください？」 |
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サマーサイエンスキャンプ 2008年7月30日-8月1日 |
(写真はjpgファイルが開きます)
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現在、日本の養蚕業、シルク産業は衰退の一途を辿り、国内で消費される生糸やシルク素材の大部分は中国等からの輸入に頼っています。このような厳しい現状のなかでも、カイコやシルクタンパク質、絹生活資材の研究を実施しています。その理由は、 1．カイコ体内で生産される体液（液状絹または絹糸腺ともいう）、あるいはカイコが吐糸した繭糸は無毒安全、機能性に富むセリシンとフィブロインという2種類の純粋（ほぼ100％）なシルクタンパク質です。このようなカイコの非常に効率的なタンパク質合成能力を利用して、インターフェロンα（アルファー）のような有用なタンパク質をつくらせる研究を実施しています。今までのところ、カイコを用いた有用物質生産系としては、■バキュロウイルスを用いる方法 ■遺伝子組み換えカイコを用いる方法 の2つの方法が技術開発されています。このうちバキュロウイルスを用いる方法により、メーカーでネコインターフェロン」（商品名＝「インターキャット｣)が生産されている。 2．カイコの吐糸した繭糸の主成分フィブロインとセリシンは、α-アミノ酸が長くつながったもので、コラゲン（骨,皮膚,腱）やケラチン（毛髪,羊毛）と同じ硬タンパク質です。硬タンパク質の特性を活かした利用開発を実施しています。そして、今までのところ、絹タンパク質を素材とするメデカル素材、たとえば抗血液凝固物質、関節軟骨再生用材料への利用に可能があるフィブロインスポンジ、セリシンハイドロゲル、人工血管、皮膚ケア、創傷被覆材、細胞培養機材等が開発されています。これらの一部のものは製品化もされていますが、大部分のものは機能性が足りないというよりも、専らコスト高のため市場化まで至っていないのが実情です。 |
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異業種・特徴企業研究会 |
(写真はjpgファイルが開きます)
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つるばみ染め |
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“つるばみ染め”とは、どんぐりの殻で染めた鉄媒染のグレーの染織物。篠原智子さんは宮崎県綾町の工房でシルクをおもな素材として“つるばみ染め織物”を製作している新進気鋭の染織家です。私は、彼女のいつか個展をする夢、希望をぜひ叶えてほしいと応援しています。期待しています。
（写真はwebサイトが開きます） これはどんぐりで染めたストールです。
Ｙ様は若くして着物の似合う尺八の師匠。自転車で何十キロでも走っていくスポーツレディでもあります。 色指定と送り主の人柄などを詳細に書いた指定書を頂き、それをもとにイメージを膨らませてたて糸を立てさせていただきました。 それを一日じっくりＹ様が織りあげて、完成！ On 2014/04/14, at 10:00, 加藤弘 wrote: > 宛て先：東京・赤坂 ワイルドシルクの専門店 アトリエ・トレビ様 > 差出人: 加藤弘 > <katouhiro@nifty.com> > メッセージ本文: > 身辺整理していましたら、農業生物資源研究所在職中に見学視察につくばに来られた篠原智子さん（宮崎県の工房）から恵与されたどんぐりの殻で染めて織ったつるばみ染めシルクストールがありました。私にはたいへんすばらしいものと思いますが、専門家の目で販売可能なものかどうかみていただきたく存じます。近日中に宅急便で製品をお送りしますのでよろしくお願いします。> > 加藤弘
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天然色素に防虫効果があるのは本当？ わたしの最後の研究報告 繊維害虫ヒメマルカツオブシムシの摂食試験 |
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（左）各種草木染め羊毛のサンプル （右）3週間後の繊維害虫ヒメマルカツオブシムシ幼虫100匹の摂食状態 （写真はスライドショー 26枚が開きます） |
要約
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1．古くから多くの天然色素抽出物はヒメマルカツオブシムシ幼虫の摂食を著しく阻害する効果が認められた。 2．摂食は色の濃さや色合いには関係しない。 3．摂食阻害の主たる成分は、UV測定からほとんどすべての天然色素抽出物に共通して含まれる280nm付近に吸収をもつ水溶性の物質（タンニン酸、カテキン）が原因と推定された。 4．例外的に摂食された紫根抽出物は、透析処理後（膜分画分子量12,000～14,000）に染色すると、摂食が著しく抑制されることを見出した。一方、透析膜から流出した液中に浸した試料は非常によく摂食された。 5．紫根抽出物を透析した膜から流出した主成分は、NMRスペクトル構造解析から「1-メトキシ-2-プロパノール」であると判明した。 6．1-メトキシ-2-プロパノール溶液に浸した試料はヒメマルカツオブシムシ幼虫によく摂食された。 |